脳神経内科

ロボットスーツ「HAL」による歩行支援リハビリテーション

神経難病と向き合うための、先進的なリハビリテーション技術

当院では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や球脊髄性筋萎縮症(SBMA)といった神経難病による歩行障害の改善を目的としたリハビリテーションに、ロボットスーツ「HAL®(Hybrid Assistive Limb®)」を導入しています。

HALは、世界でも先進的な医療用ロボット技術で、患者さん自身の意思に基づいた動きを支援することで、歩行機能の維持・回復をサポートする装着型ロボットです。

HALとは?

HALは、皮膚表面に現れる生体電位信号を読み取り、それに応じてモーターが動作することで、脚の動きを補助します。これは単なる機械的なサポートではなく、「動かしたい」という意思に応答するという点が大きな特徴です。

このような能動的な運動支援は、神経や筋肉へのフィードバックを促し、脳・脊髄と筋肉のつながりの再構築を目指すリハビリテーションにおいて極めて重要です。

対象となる疾患・症状

当院では以下のような疾患の患者さんに対して、HALを用いた歩行訓練を行っています。

  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
  • その他、医師が適応と判断した神経・筋疾患

HALは、自力での歩行が難しくなってきた方、従来のリハビリでは十分な効果が得られなかった方にとって、選択肢の一つとなる可能性があります。

HALリハビリの効果と期待できること

  • 歩行機能の維持・改善
  • 筋力の低下を防ぐ(廃用予防)
  • 動く感覚を脳に再学習させる
  • 自立した生活の継続につながる可能性

※効果には個人差があり、事前に専門医の診察・評価が必要です。

実施体制と安全性

HALを用いたリハビリテーションは、脳神経内科とリハビリテーション科の連携のもと、医師・理学療法士がチームで対応します。
使用にあたっては身体状況の確認、安全性の評価を十分に行い、無理のない範囲での訓練を実施します。

ご相談・お問い合わせについて

HALを用いたリハビリをご希望の方、ご家族の方、また他の医療機関からのご紹介も随時受け付けております。適応の有無や実施可能性については、初診・ご相談時に詳しくご説明いたします。お気軽にお問い合わせください。